ブランチ佐賀さかえ会 海軍所跡「見せる施設」に 佐野・三重津歴史館、諸田館長が講演

三重津海軍所跡や佐野常民の生涯を紹介した諸田謙次郎館長=佐賀市のホテルニューオータニ佐賀

 佐賀県内に支社や支店を置く大手企業の支店長らでつくる「ブランチ佐賀さかえ会」(座長・中尾清一郎佐賀新聞社社長)の例会が21日、佐賀市のホテルニューオータニ佐賀で開かれた。佐野常民と三重津海軍所跡の歴史館(同市川副町)の諸田謙次郎館長が、2021年にリニューアルした歴史館の展示内容や、佐野常民の生涯を紹介した。

 三重津海軍所は、幕末に佐賀藩が設けた海軍の拠点で、洋式艦船を修理するドライドックを備え、国内初の実用蒸気船「凌風(りょうふう)丸」も造られた。諸田館長は、ドライドックの原寸大模型や大型スクリーン映像で、“見えない世界遺産”と呼ばれる同海軍所跡を見せる施設にリニューアルしたことを説明した。

 佐野は佐賀藩からパリ万国博覧会に派遣されるなど海外でも活躍し、日本赤十字社の前身である博愛社を設立した。諸田さんは「赤十字のような人道的国際組織の発展こそ、文明進歩の証拠」と佐野の功績を語り、三重津海軍所の責任者も務めた佐野について「国内有数の優秀な技術者らを獲得し、佐賀藩の近代化を加速させた」と評価した。(坂本有佐)

 

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