「黒本」読み 平和な世界に思い 淵中1年生が被爆体験学ぶ 長崎市

「被爆体験を語り継ぐ 永遠の会」のサポートを受けながら黒本を読む生徒=長崎市、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館

 長崎市立淵中(本田勝一郎校長、422人)の1年生137人が19日、同市平野町の国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館(高比良則安館長)で被爆体験記集(通称・黒本)を読み、平和な世界に思いをはせた。
 平和学習の一環。約50冊の黒本が用意され、同館の朗読ボランティア「被爆体験を語り継ぐ 永遠の会」の説明などを受けながら生徒たちは黙々と読み進めた。父方の曽祖母の被爆体験を読んだ石本かのんさん(12)は「目を開けると周りは血だらけ」などの記述に驚いたといい、「身近な人が被爆し、怖い思いをしたからこそ私たちが平和な世界を作らないといけない」と決意を新たにしていた。
 同会の原尾尚美副代表は「被爆者が当時を思い出しながら、どう生きてきたか書いている。読んで被爆した人に寄り添い、何かを感じ取ってほしい」と話した。

© 株式会社長崎新聞社