国際ロマンス詐欺、青森県内の被害急増 2023年、すでに2億円近く

 交流サイト(SNS)などで外国人を名乗って知り合い、恋愛感情を抱かせながら架空の投資話に誘い、直接対面せずに金をだまし取る「国際ロマンス詐欺」の被害が今年、青森県内で急増している。県警によると、21日現在の認知件数は10件(前年同期比9件増)、被害額は約1億9182万円(同約1億8645万円増)に上る。犯人は信頼関係を築いた上で投資話を持ちかけるため、被害が高額になる傾向にあるといい、県警が注意を呼びかけている。

 県警捜査2課によると、国際ロマンス詐欺の県内の認知件数は2021年11件、22年1件で、被害額は21年7576万円、22年537万円。今年の被害10件のうち、1件は被害額が約8500万円だった。被害に遭った男女の割合は半々で、年代も30~70代と幅広いという。

 手口の特徴は▽マッチングアプリやSNSで知り合う▽会ったり電話することはなく、片言の日本語を使いメッセージでやりとりする▽数週間から数カ月かけて関係を築いた後、投資話を持ちかける▽偽の投資アプリをダウンロードさせ、画面上では利益が出ているように装う-という流れ。

 6月15日に県警が被害を認知したケースでは、被害者はマッチングアプリを通じて知り合った日本在住の外国人を名乗る者から「おじさんがプロの投資家で、投資だけで生活している」「暗号資産に投資すればもうかる」などと誘われ、投資金や保証金名目で、21回にわたり計約1706万円をだまし取られた。

 同課の今井貴美次長は「好意を抱くと相手を信じ切ってしまい、だまされていると気付けない。一度も会ったことがない人から投資に誘われたら詐欺を疑い、周囲や警察に相談してほしい」と語った。

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