妙見の森ケーブル、営業終了へ 能勢電鉄 24年6月、バーベキュー施設や足湯も廃止

2024年6月での廃止が発表された妙見の森ケーブル=川西市黒川(21年3月撮影)

 能勢電鉄(兵庫県川西市)は23日、川西市黒川の妙見山で運行する妙見の森ケーブル(黒川-ケーブル山上)などの事業を2024年6月24日で終了すると発表した。利用客の減少傾向で長年赤字が続く中、施設の老朽化が進み、数億円の更新投資が必要となり、営業の継続は困難と判断した。この日、近畿運輸局に廃止届けを提出。廃止日を繰り上げる可能性もあるという。

 同ケーブルは1960年に開業し、全長600メートル。高低差223メートルの2駅を5分で結ぶ。妙見山の参拝者やハイカー、行楽客らが利用していた。

 同社によると、利用客は74年度の約20万人をピークに、マイカー移行が進むなどして減少。定休日の設定に伴う経費削減や運賃値上げ、イベント開催での利用促進に取り組んだが、新型コロナウイルス禍が追い打ちをかけた。2022年度の利用客は約8万3千人まで落ち込み、約2700万円の営業赤字だった。

 同社が山上で運営するリフト(ふれあい広場-妙見山)とバーベキュー施設、足湯なども、ケーブルと同じ日に営業を終了する。担当者は「コロナの行動制限解除後も収支が回復する兆しが見られず、廃止を判断せざるを得なかった」としている。(大島光貴)

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