イルカに魅せられ能登島へ 長野の20歳見習いガイド奮闘

イルカと泳ぐ際の注意点を説明する今野さん=七尾市の和倉港

  ●七尾に移住 今野さん「感動伝えたい」

 幼い頃からの憧れだったイルカに関わる仕事に携わりたいと、海のない長野県から七尾市に移住した20歳の女性がいる。同県佐久市出身の今野(こんの)瑠奈さんで、水中でイルカと一緒に遊ぶ「ドルフィンスイム」の見習いガイドとして奮闘する。野生イルカと泳げる全国でも珍しい能登島で今野さんは「観光客や子どもたちにイルカと泳ぐ感動を伝えたい」と意気込む。

 今野さんは小学生の頃、神奈川県内の水族館で見たショーで巧みにイルカを操るトレーナーに感動し、イルカと接する仕事を目指すようになった。長野県の高校卒業後はイルカの生態を学ぶため、新潟市にある動物の専門学校に入学。学校の紹介もあり、今年4月に能登島でイルカと泳ぐ観光プログラムを実施する「能登島マリンリゾート」に入社した。

 海を見る機会が少なかった今野さんは、七尾湾の美しさに一瞬で心を奪われ、移住を決めた。初めて野生のイルカと間近で泳いだ時には「目と目が合って言葉にならなかった」と振り返った。

 現在はダイビングや潜水士の資格を生かし、観光客に泳ぎ方を指導し、イルカの元へ誘導するガイド役を担っている。同社オーナーの坂下さとみさん(61)は「潜水の資格を持つ人はなかなか来ないので、頼もしい」と話した。

 同社はイルカの保護にも力を入れており、今野さんはイルカの体調を確かめるために必要な深い潜水を練習している。イルカの魅力を伝えるための接客も勉強中で、「お客さんに笑顔で帰ってもらえるように頑張りたい」と力を込めた。

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