イビチャ・オシムさん永遠に 妻子招き銅像お披露目 猫背気味の姿勢も再現 千葉市・フクアリ前

イビチャ・オシムさんの銅像に寄り添う長男のアマルさん(左)とアシマ夫人=24日、千葉市中央区

 サッカー日本代表やJ1ジェフ市原で監督を務めた故イビチャ・オシムさんの功績をたたえる記念の銅像が24日、ジェフ市原・千葉の本拠地フクダ電子アリーナ(千葉市中央区)前に設置され、除幕式が行われた。

 式には出身地サラエボからアシマ夫人(81)、長男のアマルさん(55)を招いたほか、日本サッカー協会の田嶋幸三会長や神谷俊一・千葉市長、オシムさんに指導を受けたジェフOBの佐藤勇人クラブユナイテッドオフィサーらが出席。

 銅像はほぼ等身大で台座を含め高さ約2メートル。猫背気味の姿勢も再現した。J2千葉が市と共同で企画し、費用はクラウドファンディングで寄付を募った。

 銅像がお披露目されると、集まったサポーターらから大きな拍手が起きた。アシマ夫人は「監督時代と同じようにたくさんのサポーターに慕われていることが分かった。とてもうれしい」。「大きいです」と日本語で話したアマルさんは「感謝の思いでいっぱい」と喜んだ。

 30年以上のサポーターという市原市の無職、平野修夫さん(67)は、オシムさんが監督を退任し、日本を去る際に成田空港で掲げたという「We are Osim Family」と書かれた旗を掲げ見守った。千葉市中央区の会社員、須藤学さん(55)は「目が優しく、オシムさんの人柄が良く出ている」と笑顔で話した。

 オシムさんは、2003年にJ1市原(現J2千葉)監督に就任し、ヤマザキナビスコ・カップ(現YBCルヴァン・カップ)を制覇。チームに初タイトルをもたらした。ワールドカップ(W杯)ドイツ大会後の同年から日本代表監督に就任したが、脳梗塞で07年11月退任。「考えて走るサッカー」などを提唱し、多くの選手や指導者に影響を与えた。昨年5月に80歳で死去した。

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