関西・神戸空港の発着枠増へ、国が淡路上空に複数ルート新設案 関西3空港懇、8月にも環境検証委設置

神戸空港全景=2020年8月撮影

 関西、大阪(伊丹)、神戸空港の役割を官民で話し合う「関西3空港懇談会」が25日、大阪市で開かれた。昨年9月の前回会議で合意した関西、神戸両空港の発着枠拡大に向け、国土交通省から淡路島上空に複数の飛行ルートを新設する案が示された。専門家の環境検証委員会(仮称)を今年8月にも設置する。

 前回会議では神戸空港に関し、2030年前後の国際定期便就航で合意した。1日の発着上限を現在の80回から国際線40回、国内線120回の計160回に倍増させる。関空も30年代前半をめどに年間発着回数30万回を目指す。3空港懇は国に対し、飛行経路見直しの検討を要請していた。

 国交省のプランでは、航空機が陸上を通る際の高度を現行の8千フィート以上から、関空出発機を5千フィート以上、到着機を4千フィート以上に引き下げ、分散させる。

 関空出発機は南あわじと南淡、到着機は洲本と北淡路などの上空を通る経路を新設する。神戸空港の出発機は現行の明石海峡から淡路島北部を飛ぶ経路に切り替えて、大阪湾上空の混雑を緩和させる。

 環境検証委は兵庫、大阪、和歌山の3府県が共同で設置し、騒音の影響や経路案の妥当性を話し合う。24年中に3空港懇で見解の取りまとめを目指す。

 兵庫県の斎藤元彦知事は「淡路島の住民や関係者の理解を得る努力をしたい」、3空港懇の座長を務める関西経済連合会の松本正義会長(洲本市出身)は「環境に著しい支障がない場合は認めざるを得ない。住民に話して納得いただかなければならない」と述べた。(大島光貴)

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