飾らない素のレギュラー番組 “好きなこと”発信 U字工事(那須塩原・大田原出身) 【PLAY とちぎYouTube】

ユーチューブのポーズをするU字工事の福田さん(左)と益子さん

 テレビで見るのとはまた違った、飾らない2人のやりとりが魅力だ。本県出身のお笑いコンビ「U字工事」の福田薫(ふくだかおる)さんと益子卓郎(ましこたくろう)さんがチャンネルを開設したのは、2020年2月。周囲でユーチューブ進出をする人が増えていた時期で、2人も流れに乗った。

 「やってやるぞ!という派手な決意表明はなかった」と益子さん。だからこそ、動画の中の2人は素に近い表情が多い。

 動画の企画は、好きなことをベースに考える。例えば、ギャンブル場の食べ物を紹介する「ギャンブル飯」は、競輪が好きな福田さんの案だ。ロケ先は気になっていた場所や、テレビ番組では行かなそうな所を選んでいるという。日光市にある「ハイセイコー食堂」や「ラーメン 八海山」の回は、店主とのやりとりを含め、今でも印象に残る。

 チャンネルを開設した同年、民間調査会社による都道府県魅力度ランキングで、本県は最下位に。そんな地元・栃木を盛り上げようと、飲食店や名所など魅力発信にも力を入れている。動画で紹介されたスポットに訪れるファンも多くいるといい、福田さんは「結構マニアックな店に行っているので、旅行雑誌もちゃんと見た方がいい」とアドバイスする。

 この他にも相撲の真剣勝負に挑んだり、山に登ったり、立ち食いそばの店を紹介したり…。県内自治体などとのタイアップ動画にも取り組む。

 ユーチューブを始めてから、ファンとの距離感が近づいたと感じている。「このシーンが面白かった」といったコメントが寄せられるほか、撮影時に「ユーチューブ見ているよ」と声をかけられることが増えた。益子さんは「年配の人からも言ってもらえる。若い人向けのコンテンツというイメージがあったが、幅広い世代に見てもらえるので、始めて良かった」と実感する。

 ユーチューブは「無理はせず、好きなようにできるレギュラー番組」。「暇なときに見てもらえるような、よりどころになれたらいい」と声をそろえる。目指すのは、県民全員に当たる190万人のチャンネル登録だ。

 「栃木の隅々まで行ってみたい」と語る2人。今後、どんな企画を考えているのか。「草むらにセーターを着て寝転んだら、くっつき虫がどれくらい付くのか試したい」「クワガタ捕りもいいな」「アユ釣りもしたい」-。U字工事は、どこまでも自然体だ。

◆U字工事◆

 

福田薫1978年5月12日生まれ。那須塩原市出身。

益子卓郎1978年6月16日生まれ。大田原市出身。

 大田原高の同級生として知り合い、2000年にコンビ結成。08年のM-1グランプリで決勝に進出し、栃木弁の漫才が人気を博した。ユーチューブの「U字工事チャンネル」の登録者数は13.2万人(20日現在)。

U字工事ギャンブル飯 宇都宮競輪場編
【始動】U字工事が栃木の魅力度アップさせます
U字工事の福田(左)さんと益子さん

© 株式会社下野新聞社