「城崎温泉の横のほうだで…」そんな香美町の役場で、働こう。職員有志の採用チームがあの手この手

保健師の仕事を紹介する動画の撮影=香美町香住区香住

 ここ数年、職員採用に苦戦している兵庫県香美町が、職員有志による「職員採用プロジェクトチーム」を立ち上げた。ポスターや動画、学校訪問などを通じて、地方公務員として働く魅力を伝えようと知恵を出し合っている。(長谷部崇)

 公務員離れが進む中、同町でも採用試験の受験者数が減少傾向にある。内定辞退も相次ぎ、計画通りの職員数を確保できていないという。プロジェクトチームは総務課が全庁的に呼びかけ、税務課、上下水道課、観光商工課などから集った8人で5月に結成した。週1回のミーティングを重ねている。

 チームが製作したチラシとポスターは、黄色の背景に黒の字体でインパクト重視のデザインにした。チラシは町内に全戸配布する予定で両面刷りとし、表はベテランから若手まで職員5人を紹介。裏には町の職員数や初任給、勤務時間、福利厚生など受験者が知りたい情報を詳しく載せた。

 ポスターは、町内向けと町外向けに分けて作り、町外用では「香美町ってどこにあるの?」「城崎温泉の横のほうだで」と方言交じりでPR。町内の公共施設や但馬の高校、近隣地域の大学などに配布するという。

 動画はチラシに載った5人が仕事内容ややりがいを語り、ユーチューブだけでなく、交流サイト(SNS)でも配信する。チームで大学訪問などにも取り組み、7月17日の職員採用説明会では職員によるトークセッションも計画している。

 チームのメンバーで企画課の西谷勇祐主事(29)は「意欲ある受験者を増やし、地方公務員の福利厚生についてもしっかりと伝えたい」と話している。ポスターや動画は、7月3日から始まる一般事務職などの募集に合わせて公開する。

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