子ども守る社会へ 市民の提案、行動を 支援2団体が雲仙で講演会

子ども支援事業の取り組みを話す山本事務局長(右)と駒崎会長=雲仙市、愛の夢未来センター

 子ども支援の実現をテーマにした講演会が24日、長崎県雲仙市愛野町の愛の夢未来センターであった。東京の認定NPO法人フローレンスの駒崎弘樹会長と、長崎市の一般社団法人ひとり親家庭福祉会ながさきの山本倫子事務局長が対談し「市民が課題を提案し動くことで、全ての子どもを守る社会に変えよう」と来場者に呼びかけた。
 フローレンスは病児保育サービスをはじめ、障害児保育や貧困世帯問題などに取り組む。ひとり親家庭福祉会ながさきはフローレンスからノウハウを教わり、食料や学習面を支援する「つなぐBANK」事業を2019年開始。今年から雲仙市千々石町で、生活困窮世帯などの児童が放課後を過ごす施設「メットライフ財団支援らたん」も運営している。
 対談で2人は子ども支援格差をなくそうと、事業を市民や行政とともに広げて施策にした経験を紹介。駒崎会長は「制度化すれば点ではなく面で支えられる」、山本事務局長は「食料配布の日時や場所は会員だけに伝える仕組みにして個人情報を守る」などと語った。
 参加した同市千々石町の女性会社員(42)は駒崎会長の意見に同意し「社会への不満や不安を、行政や市議にメールすることなら私にもできそう」と話した。
 ひとり親家庭福祉会ながさき主催、市が共催。市民約120人が参加した。

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