上峰の中心市街地再開発事業 認定こども園設置へ 医療的ケア児も受け入れ、25年4月開園目指す

認定こども園の設置と運営に関する協定書を交わした社会福祉法人「ガジュマル」の今村一郎理事長(左)と武広勇平町長=上峰町役場

 三養基郡上峰町は26日、大型商業施設跡地で進めている中心市街地再整備事業で、敷地内に認定こども園を設置すると発表した。日常的に人工呼吸器やたんの吸引などが必要な医療的ケア児の受け入れ体制も整えた施設で、2025年4月の開園を目指している。

 施設の整備・運営は、佐賀県内で介護施設や保育園の運営を手がけている同町の社会福祉法人「ガジュマル」(今村一郎理事長)が担う。計画では、約900平方メートルに施設や園庭を整備。定員は60人で、保育士と看護師の計約15人体制を想定し、医療的ケア児や病児の受け入れも行う。

 県こども未来課によると、県が把握している医療的ケア医児を受け入れている県内の保育施設は9カ所で、県東部では鳥栖市の1カ所のみ。上峰町は「一定の需要がある」と話す。また、同町では昨年度、町内の保育施設に入所できなかった児童が51人いたことから、待機児童の解消にもつながるとしている。

 同日、町役場で認定こども園の設置と運営に関する協定式があり、今村理事長は「子どもたちの心身の成長をサポートし、医療的ケア児を育てる家族の負担も軽減していきたい」と述べ、武広勇平町長は「施設の充実のため連携を強化したい」と話した。

 町は合同会社「つばきまちづくりプロジェクト」と連携して、跡地一帯の再開発事業を進めている。民間からの資金調達やふるさと納税を活用し、認定こども園のほか、商業施設や定住促進住宅、単位制・通信制課程の高校などの整備を計画する。(井手一希)

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