東南アジアで販路快走を 南砺発スポーツカー「SD―3」

東南アジアで販売促進するチラシを見せる佐野代表=南砺市池尻

  ●タイ出展でSデザイン「日本より商機」

 28日にタイで開幕するクルマ好きの祭典「バンコク・オートサロン」に、南砺市池尻の工房「Sデザイン」が開発中のスポーツカー「SD―3」が、日本代表6台のうち1台として招待を受けた。SD―3は同工房の新たな主力車種で、9月に発売を予定。同工房は東南アジアについて、日本製スポーツカーの人気が高いとみており、タイへの出展を契機に販路拡大に取り組む。

 Sデザインは乗用車ボディーを手掛ける工房で、SD―3はトヨタ自動車のスポーツカー「GR86(ハチロク)」などをベースに独自デザインの車として製作。流麗なカーブを描くスマートな車体が特徴で、ボンネットの一部が透明なため、エンジンが見える仕様となっている。

 工房は1月、千葉県で開かれた世界最大級のカスタムカーイベント「東京オートサロン」に試作版を出展した。佐野雅幸代表(47)によると、デザイン性の高さが好評となり、春には試作版が全国各地のイベント5カ所に招かれ、盛り上げに一役買ってきた。

 青色のSD―3と、青いユニホームを着たサッカー日本代表のイメージが合うことから、試合会場に展示されたこともあるという。

 工房は、バンコク・オートサロンの主催者から出展を要請された際、タイでの宣伝や販売に協力するとの申し出も受けた。タイではベース車両のGR86が販売されているため、GR86をSD―3にするための外観キット(86万6千円)を売り込んでいく。

 既に展示用のSD―3は東京から海路でタイに到着しており、佐野代表も28日に現地を訪ね、車の販売店主らと商談に臨む。タイでの販売促進用に急きょチラシも作製した。バンコク・オートサロンは7月2日まで。

 佐野代表は東南アジアのスポーツカー市場について「かつての日本のように若者がスポーツカーに憧れを抱いていて、車に使うお金の割合が高い。日本よりも商機がある」と分析し、販路拡大に意欲をみせた。

© 株式会社北國新聞社