道路冠水や土砂流出、米沢市内全域に避難指示 県内大雨

水路から水や土砂が道路上に流出した現場=28日午後8時30分、米沢市赤芝町

 県内は28日夕方から、置賜、村山両地域を中心に大雨に見舞われた。米沢市では道路に泥水があふれる場所もあり、市内全域に避難指示が出され、高齢者らが一時、避難所に身を寄せた。東根市付近には記録的短時間大雨情報が発表された。JR山形新幹線が一時運転を見合わせるなど交通にも影響し、至る所で道路が冠水した。

 米沢市内は早朝から断続的に強い雨が降り、午前0時から午後8時までの雨量は137ミリを記録した。李山では用水路の水が道路や畑に流れ込み、消防団が用水路の排水作業を行った。赤芝町では道路に土砂が流出した。

 市は土砂災害の危険性があるとして市内全域に避難指示を出し、18カ所に避難所を開設。5カ所に高齢者ら計約10人が身を寄せ、田沢コミュニティセンターには1家族2人が一時避難し、無職近野八郎さん(80)は「家の前の道路が水浸しになり怖かった」と話した。南陽市でも赤湯地区などで道路が冠水した。伊藤和弘さん(84)は「車が出せなくて困った」と語った。

 1時間に約110ミリの雨が降り、東根市付近では今年初の「記録的短時間大雨情報」が発表され、宮城県境部の関山地区などは猛烈な雨に見舞われた。天童市でも午後6時ごろから短時間に猛烈な雨が降った。

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 JR東日本山形支店によると、奥羽本線は山形新幹線つばさが福島―新庄間で上下2本が区間運休し、上下2本が最大1時間33分遅れた。普通列車は上下3本が最大1時間22分遅れ、計約1600人に影響した。

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 昨年8月の豪雨で被災した国道121号は雨量が規制値を超え、米沢市入田沢の道の駅田沢から福島県喜多方方面が全面通行止めとなった。喜多方方面から生徒約20人が通う米沢中央高では最終スクールバスの出発を1時間半早め、生徒らは郡山市を経由して帰宅した。南陽市の白竜湖周辺では道路が約10~20センチ冠水し、一部で通行止めとなった。

保健師による体調確認を受ける避難者=28日午後6時58分、米沢市・田沢コミュニティセンター
夜になり雨雲が通過した山形市内では道路に雨粒が反射していた=28日午後7時9分、JR山形駅前

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