性的少数者や家族、友人ら対象「LGBTQ+専門相談」開始 電話や対面など、生きづらさ解消支援 兵庫・加古川市

加古川市が始めた「LGBTQ+専門相談」のチラシ=加古川市加古川町篠原町

 兵庫県加古川市は、LGBTなど性的少数者や、その家族、友人らを対象にした「LGBTQ+(プラス)専門相談」を始めた。電話か対面で、経験豊かな相談員が悩みや不安に耳を傾ける。同市は7月から、性的少数者のカップルを婚姻相当関係と認め、その子どもら近親者を家族と公認する「パートナーシップ・ファミリーシップ届け出制度」を導入。支援を充実させ、生きづらさの解消を目指す。(斉藤正志)

 「LGBT」は、レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(性自認と体の性が一致しない人)の頭文字を取った言葉。「LGBTQ+」は、自分の性が分からない、決めたくないなどの「クエスチョニング」と、これらの言葉では表現しきれない性の多様性を示す「+」を合わせ、性的少数者らを表す総称として使われる。

 同市の専門相談は、他の自治体にも相談員を派遣しているNPO法人「QWRC(くぉーく)」(大阪市)が担う。「自分の性別に違和感がある」「制服が嫌で学校に行きたくない」といった本人の悩みだけでなく、「身近な人から打ち明けられたが、どうすればいいか分からない」など、家族、友人からの相談も受ける。学校や職場の関係者らからも受け付ける。

 電話相談は毎月第4月曜の午後2~5時。匿名、市外在住者も可。1回30分まで。専用ダイヤルTEL079.427.9108

 対面相談は市内在住、在勤、在学者に限る。市民活動推進課に連絡し、日程を調整した上で、加古川市民交流ひろば(同市加古川町篠原町)の個室で面談する。1回1時間まで。同課TEL079.424.7172

 同課の担当者は「悩みや不安のある人は、1人で抱え込まず、専門相談に連絡してほしい」としている。

 パートナーシップ・ファミリーシップ届け出制度は、市に届け出をすればカード形の「受理証明書」を交付する。届け出には同課に事前連絡が必要。

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