長崎市が投票所への移動支援 要介護者にタクシー助成 2025年参院選から 市選管が表明

 長崎市選管は28日の市議会一般質問で、自力での外出が難しい高齢者や障害者らの投票機会を確保するため、自宅から投票所までのタクシー料金を助成する移動支援事業を行うと明らかにした。要介護度「4」の人が対象で、2025年7月の参院選から試行する。市選管によると、要介護者に対する移動支援の検討は長崎県内で初めて。
 池田章子議員(市民クラブ)の質問に、市選管の桂祥事務局長が答えた。
 要介護度が最も重い「5」の人や重度障害者は郵便で投票できる制度がある。一方でその対象外となる要介護度4以下でも、1人で投票所に行くのが困難な人がいて、支援の在り方が課題になっている。
 市選管の案では、移動支援を投票日当日のみ実施。利用者負担は発生しない形を想定している。長崎県外の自治体では、70歳以上の人や、運転免許証を自主返納した人を支援対象とするケースなどもあるが、市選管は「まず試行的に運用し、課題や対象者拡大について検討していく」とした。
 移動支援の対象者や方法などの制度設計は自治体ごとに可能で、その経費は国が出す仕組み。長崎県内の離島自治体には、投票所が遠い地区の住民をタクシーで送迎する事業などがある。

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