県内22年度 林業新規就業最多67人 若者、県外からの人材増

新規林業就業者の推移

 2022年度の県内新規林業就業者は67人で、調査を開始した1994年以降最多となったことが29日までに、県のまとめで分かった。若い世代が多く、県外からの就業も増加している。県は説明会や相談会などの人材確保策が効果を上げたとみている。来年4月には県林業大学校が開校予定で、県は同校を通じてさらなる就業者増や人材育成を図り、林業の成長産業化を目指す方針。

 全国的な課題となっている林業の担い手確保のため、県は2020年度に県林業人材確保・育成方針を策定し、対策に取り組んでいる。県林業木材産業課によると、県内の林業就労者は4月時点で計671人で、過去10年で最多となった。

 22年度の新規就業者は前年度比10人増。うち新卒者はこれまでで最も多い14人で、県は高校生向けの就業説明会や林業体験などの積極的な施策が奏功したと分析する。転職者は全体の8割で、製造業からが12人、建設業10人、サービス業8人などだった。

 年齢別では20代が21人で最多。30代18人、10代9人、50代8人、60代以上6人、40代5人。平均年齢は35歳。女性は1人だった。

 近年は県外からの就職者も増加。18年度までは1桁だったが、19年度以降は2桁で推移し、22年度は12人だった。県森林組合連合会では都内での就職相談会に力を入れており、20日間の就業支援講習や企業マッチングなども行っている。

 一方、例年4割前後で推移する3年以内の離職率の高さが依然として課題となっている。20年度の離職率は33%とやや低下したものの、他業種と比較すると高い傾向にある。新たに開校する林業大学校では研修生のスキルアップなどに加え、経営者を対象にした雇用環境改善に向けた講座も設ける方針。

 同課の担当者は「(林業大学校を)生涯長く林業で働いてもらうためにサポートできる拠点にしていきたい」と話している。

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