ノハナショウブ、かれんに 佐賀市富士町、県の絶滅危惧種

かれんな花を咲かせたノハナショウブ=佐賀市富士町北部の湿地(撮影・中島克彦)

 観賞用のハナショウブの原種であるノハナショウブが、佐賀市富士町北部の湿地で紫色のかれんな花を咲かせている。県の絶滅危惧種(1類種)に指定されており、県内では山間部の限られた場所にしか生育していない。

 この湿地には約10株が自生しており、5株が開花した。つぼみは濃い紫色で絹のような光沢があるが、開花すると次第に明るい赤紫色に変化するのが観察された。ノハナショウブは、品種改良されたハナショウブに比べると小ぶり。花びらの上端が黄色いのが特徴で、見た目が似ているカキツバタは同じ部分が白いことで見分けられる。

 県の自然保護監視員・鳥谷信明さん(86)は「もし山中で見つけても、持ち帰らず見守って」と呼びかけている。(中島克彦)

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