イニエスタ「最大限の力で、最後にふさわしい試合を」 札幌戦へ意気込み「何としても勝つ」

28日の公開練習でサポーターとの記念撮影に応じる神戸のイニエスタ(中央)=神戸市西区、いぶきの森球技場

 J1ヴィッセル神戸を退団する元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタが30日、報道陣のオンライン取材に応じ、自身の神戸最終戦となる7月1日の北海道コンサドーレ札幌戦(ノエビアスタジアム神戸)に向け「最大限のパフォーマンスをし、ベストを尽くすことを約束する」と語った。吉田孝行監督も「出場はすると思う」と世界的司令塔の起用を明言した。

 この日、練習後に取材に臨んだ背番号8は、時折笑みを見せながらリラックスした表情。「コンディションは悪くない。ここ数カ月間、いい練習を続けてきた。試合にあまり絡んでいないのでリズムは足りないかもしれないが、最大限の力を出し、自分の最後にふさわしい試合ができれば」と口にした。

 神戸は現在、首位横浜F・マリノスより1試合消化が少ない中、勝ち点3差で2位につけている。「自分にとって、ファンにとって特別な試合だが、同時に勝ち点3が懸かっている。何としても勝たないと。チームの勝利に貢献できれば」とリーグ戦の重要な一戦であることも強調した。

 今季、足を痛めるなどして出遅れたイニエスタ。その間、チームは豊富な運動量で前線から圧力をかける守備とショートカウンターを徹底し、好調を保ってきた。

 世界的名手は、復帰後もリーグ戦出場が3試合にとどまり、いずれも後半途中から。「これまで変わらず、気持ちを込めて練習を続けてきたつもり。起用してもらえない、パフォーマンスを発揮すると信頼してもらえないと感じて、この数カ月、難しかった」と胸の内を明かす場面もあった。

 最終戦を想像し、感慨深げにこう話した。「いろいろな感情がこみ上げるだろう。終了のホイッスルの瞬間も、試合中も。5年間、いろんなことを経験したから、喜びや悲しみ、いろんなものが入り交じると思う。感情的な揺さぶりがある中でも最大限、試合に集中して楽しみたい」(藤村有希子)

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