抗がん剤耐性持つ細胞の培養期間を大幅短縮 岩手医大グループ

 

 岩手医大薬学部の寺島潤講師(53)の研究グループは、治療法研究のために抗がん剤への耐性を持ったがん細胞を効率的に作る技術を開発した。従来の方法では数カ月から1年かかっていた培養期間を10日程度まで短縮した。がん細胞に耐性ができる仕組みの解明や治療法研究の進展に期待が集まる。

 従来のがん細胞の培養は、抗がん剤の濃度を徐々に上げていくやり方で、耐性を得るには長い時間が必要だった。寺島講師の研究グループは、細胞に抗がん剤を加え、除去する工程を12時間ごとに繰り返すことで、培養期間を大幅に短縮することに成功した。

 すでに肺がん、肝臓がんは実用化できる段階で、3月に特許申請した。手順を自動化する研究も進めている。

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