「電動キックボード」ナンバー交付、高砂、三田など兵庫県内4市が間に合わず 7月から新制度

神戸市で7月から新たに交付が始まる電動キックボード用のナンバープレートの見本=神戸市長田区二葉町5、新長田合同庁舎

 7月からの改正道交法の施行で、最高時速20キロ以下など一定の要件を満たす「電動キックボード」の新制度が始まり、16歳以上は運転免許不要で乗れるようになる。ただ、兵庫県内の4市では新たなナンバープレートの準備が遅れ、7月当初の交付に間に合わないことが分かった。

 これまで電動ボードは原則としてミニバイクと同じ扱いだったが、最高速度や「長さ190センチで幅60センチ」以下など、要件を満たすものは新たに「特定小型原動機付き自転車」として分類。年額2千円が課税され、10センチ四方の新たなナンバープレートが交付される。

 多くの自治体は7月最初の平日となる3日に交付を始めるが、県内では高砂、三田、加西、丹波の各市で間に合わない。松本剛明総務相は、全国でも約1割の自治体が間に合わないことを明らかにした。

 全国の市区町村から製造業者に一斉に発注があったため、納品時期が遅れた。三田市は7月上旬、加西市は7月上~中旬に納品され次第、交付を始める。高砂市と丹波市は納品時期が示されておらず、丹波市は「1カ月ほど先になる可能性がある」とする。

 新たなプレートの交付がなくても、これまで通りのミニバイク用で走行できる。自治体の準備が間に合わない場合は、ミニバイク用ナンバーを新たに交付してもらうことも可能だ。

 ただ、後から電動ボード用に交換すると、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)を切り替える必要があり、加西市の担当者は「申請者の手間もかかるため、お待ちいただくよう案内をする」という。

 電動ボードは1人用のボードにモーターが搭載され、地面を蹴り続けなくても進む。都市部で若者を中心に利用が広まっているが、丹波市には全く問い合わせがないといい「丹波で乗る人は現在のところ少ないのでは」とみている。

 今後、点在する観光施設間の移動や都市部の通勤などで利用が増えるとみられる一方、交通違反や人身事故も発生している。

 16歳未満の運転は禁止▽原則車道の左端や自転車専用通行帯を走行▽ヘルメット着用は努力義務▽最高時速を6キロ以下に設定し、緑色のライトを点滅させれば一部の歩道も通行可能-などの交通ルールの周知徹底が必要となる。(高田康夫)

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