「物価高で家計回らない」…それならみんなで協力して子育てしたらいいやん! ママ友2人がこども食堂

「ひだまり食堂」で子どもにカレーを盛り付ける利根川美保子さん(左)と浅田千春さん=溝口公民館

 子育て世代の悩みに寄り添い、地域ぐるみで子育てをしようと、兵庫県姫路市香寺町で月1回、病院職員の利根川美保子さん(41)と看護師の浅田千春さん(38)がこども食堂「ひだまり食堂」を開いている。6月中旬の2回目には親子ら74人が参加。子どもたちはカレーを味わい、ボランティアの高校生と遊ぶなど、思い思いの時間を過ごした。(井上 駿)

 利根川さんは3歳~小学6年の4人、浅田さんは2歳~小学6年の3人を育てている。第1子の保育園時代からママ友だった2人。昨年秋から顔を合わせると、物価高や子どもの教育問題などを話すようになった。

 「物価高で家計が回らないとか、子どもだけで晩ご飯を食べているとか、暗い話題を耳にするたび、それならみんなで協力して子育てしたらいいやんって思って」と利根川さん。子育てが落ち着いたらこども食堂を開きたいと思っていた浅田さんと意気投合し、今こそ必要だと「ひだまり食堂」を開設した。

 親の疲れが極まる金曜夜に開き、食事を準備する手間を省いて、地域のつながりをつくるのが狙い。地元の自治会も協力的で、公民館や集会所を貸し出し、婦人会も調理を手伝う。地元から食材を寄付してもらい、市社会福祉協議会からは、更新が近づいた備蓄米を提供してもらっている。

 「共感してくれた地域の人から『こうしたらいいよ』と教えてもらい、とんとん拍子に話が進んだ」と浅田さん。5月の初回には約50人が集まった。

 6月16日は同町溝口の溝口公民館で開かれ、午後4時過ぎに近くの中寺小から下校した小学生が集まり始めた。今回から香寺高校の生徒十数人も手伝うことに。手作りのカップケーキを持参し、絵本の読み聞かせをしたり宿題を手伝ったり。一緒にカードゲームを楽しむ生徒もいた。参加した小学6年の女児は「小学校で評判を聞いて初めて来た。カレーが優しい味だった」。

 乳幼児を連れた親子連れも増えてきた。娘2人を連れた女性(36)は「疲れて帰宅してご飯を作るのはおっくうなので助かる。いろんなママさんと交流するきっかけにもなる」と話した。

 メニューは当面カレーの予定。参加費は高校生以下が無料で、大人300円。2人は「参加費が次回の食材費になるので、気兼ねなく親子で来てほしい」と呼びかけている。第3金曜の午後4~7時に実施し、次回は7月21日に、JR溝口駅前の野田集会所で開く。食器とスプーンを持参する。ひだまり食堂TEL080.3844.0945

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