よねざわ昆虫館、魅力伝え20年 標本10万点超収蔵、展示

地域への感謝を語る島貫清美専門員=米沢市簗沢・よねざわ昆虫館

 米沢市簗沢のよねざわ昆虫館が、9月に開館20周年を迎える。国内外のチョウやカブトムシなどの標本10万点以上に加え、近年は近くで採集した水生生物なども展示し、幅広い世代に昆虫の魅力を伝えてきた。今月1、2日には節目を記念した講演会や、虫と触れ合える体験イベントを予定している。

 三沢コミュニティセンター内にあり、2003年9月のセンター完成と同時にオープンした。青森県出身の故山谷文仁さんが集めた標本約10万点、米沢市浅川出身の故小形義和さんの標本約6千点を収蔵し、約2500点を展示する。

 同館の入り口には、近くで採集されたヤゴやゲンゴロウなどが展示されている。夏場は特に、住民が寄せたカマキリやヤブキリ、マイマイカブリなどが入ったケースでいっぱいになるという。近年は予算やコロナ禍などで企画展を開けていないが、同館の島貫清美専門員(58)は「地域の支えで充実した展示を続けてこられた」と感謝を語る。

 「生物の多様性があって初めて今の自然や私たちの生活が成り立っている」と島貫専門員。在来生物の役割や大切さを知ってもらうために「今後は外来の危険生物との見極め方も伝えたい」と意気込んでいる。

 1日には昆虫学者で九州大学総合研究博物館の丸山宗利准教授を招いた講演会を市内で開催。2日は昆虫館で、カブトムシやクワガタムシに触れたり、昆虫食を試食したりできる「虫フェス」を開く。講演会の入場に必要な整理券は配布を終了した。

© 株式会社山形新聞社