英字紙ジャパンタイムズが「日本各地に点在する訪れるべき10店」を選出する今年の「デスティネーション・レストランツ・リスト」に、青森県八戸市湊高台のイタリア料理店「カーサ・デル・チーボ」が選ばれた。県内の飲食店では初受賞となり、オーナーシェフの池見良平さん(46)とソムリエールの妻悦子さん(48)が6月29日、熊谷雄一市長に報告した。
同リストは「日本人が選ぶ、世界に伝えたい日本のレストランリスト」として発足し、対象は東京23区と政令指定都市を除いた、あらゆるジャンルのレストラン。3回目の今年は福島県いわき市や山形市のフランス料理店なども選ばれた。
カーサ・デル・チーボは、神奈川県出身の良平さんが悦子さんの出身地八戸市で2011年5月にオープン。今回は、良平さんがフレンチとイタリアンの両方の技術を駆使し、八戸の魚介類など青森県の食材をふんだんに使った料理を提供している点が評価された。
熊谷市長に八戸で出店した理由を聞かれた良平さんは「日本と同様、イタリアは海に囲まれているので料理に魚介類は不可欠。八戸なら良いものが手に入ると思った」と説明。熊谷市長は「漁獲量は減っているが、水産の街として魚を生かしたまちづくりに取り組もうとしている中、(店の存在は)大変貴重だ」と今後の活躍に期待した。
取材に良平さんは「現状維持は衰退。一日に一歩でも先に進んでさらにおいしい料理を作りたい」、悦子さんは「地方でも良いものがあれば東京以上に発信して評価いただける時代が来たと実感している」と話した。