歴史学び、洪水対策の大切さ学ぶ 最上川200キロを歩く第8週

最上川沿いで上空に現場撮影用ドローンを見つけ、手を振る尾花沢市宮沢小の児童たち=大石田町

 山形新聞、山形放送の8大事業の一つ「最上川200キロを歩く 小学生探検リレー」は第8週の1日、尾花沢市宮沢小(阿部玲子校長)の2~6年生21人が隼橋(村山市)-大蔵橋(大蔵村)間を担った。子どもたちは舟運や治水の歴史を学び、最上川がもたらす恵みの豊かさと洪水対策の大切さをかみしめた。

 同校で出発式を行い、国土交通省新庄河川事務所の五十嵐祥二所長が「大人になって地元を出る人も残る人も、何年後かに最上川を歩いたことを思い出してくれたらうれしい」とあいさつした。阿部校長は子どもたちに「たくさんの知識を蓄え、最高の経験にしてほしい」と語りかけた。

 続いて児童を代表し、6年山口真太郎君(11)と5年尾崎翔玖(たすく)君(10)が11週にわたってバトン代わりに受け継ぐ「ビッグフラッグ」を掲げた。その前で、6年押切蒼空(そら)君(11)が「笑顔で最上川を歩き、山形県の良さを再発見したい」と決意表明した。

 5、6年生の親子行事として保護者も参加した。最上川は前日までの雨で水量が多く、子どもたちは川が日によってさまざまな表情を見せることを実感した。川沿いを歩きながら、洪水との戦いの歴史に理解を深め、自分たちの安全と生活を守る堤防の役割と大切さを知った。

 増水時に本川から支川への逆流を防ぐ樋管、堤防の内側から外側に水を吸い出す排水ポンプの操作実演では、勢いよく流れる水に歓声も。堤防の整備や維持に欠かせない重機、草刈り機にも触れた。水質テストで川がごみや生活排水に弱いことを知り、次世代に清流を受け継ぐ使命感も感じた様子だった。

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