山形新聞杯東北中学生カヌー大会(東北ブロックカヌー協会主催、県カヌー協会、山形新聞社共催)は1日、西川町の月山湖カヌースプリント競技場でカヤックとカナディアンの各種目を行った。県勢は女子カヤックペアで佐藤和佳・土田琳子(西川中)が優勝した。男子カヤックペアは鈴木悠斗・斎藤樹(河北中)が頂点に立った。佐藤と斎藤は、それぞれ同3年シングルも制した。県勢は、全14種目中10種目で栄冠を手にした。
最優秀選手をたたえる山形新聞杯には佐藤、優秀選手の加藤杯には1年生が鈴木琥葉久(西川中)、2年生は佐藤匠真(青森・白神カヌーク)、3年生は斎藤がそれぞれ選ばれた。
【ハイライト】序盤に飛び出し、実力示す
後続とのタイム差は実に22秒弱。女子カヤックペアの佐藤和佳・土田琳子(西川中)が存分に実力を示した。序盤から飛び出すと、向かい風を突いてぐんぐん前進し、そのままフィニッシュ。「まだまだ記録を伸ばせる」。成長株は高みを見据えて語った。
今春にペアを組んだ3年生同士。幼なじみで息はぴったり、強気の姿勢も似ている。「絶対勝つ」「誰にも負けない」。いずれも自身を鼓舞し今大会のレースに挑んだ。
75メートル地点までは加速に集中し、350メートルまでは勢いを維持する意識で臨んだ。他艇を引き離し、さらにラストスパートをかけた。ペアでは互いのパドルを漕ぐタイミングが推進力を左右する。「中盤から前に出ようと焦って動きにずれが生じた。呼吸をもっと合わせたい」と2人。勝利の余韻に浸ることはなかった。
今夏の全国舞台で狙うは同種目の優勝だ。タイムは2分0秒台を目指す。佐藤は「メンタル面での成長が必要」、土田は「中盤にリズムが崩れないよう意識したい」。目標に向け、2人の向上心はぶれない。
鈴木・斎藤組(河北)圧勝・男子K2
男子カヤックペアは序盤から先頭に立った鈴木悠斗・斎藤樹(河北中)が2位を10秒以上引き離し圧勝した。「うれしいけどタイムはまだまだ」。全国頂点を狙う2人は淡々とした表情で話した。
作戦通りだった。スタート直後に抜け出すと、200メートル地点からは大きなパドルさばきでスピードを維持した。シングルでは斎藤が1位、鈴木が2位。さすがの実力を見せつけた格好だが、鈴木は「疲れで上体が横に動きカヌーも揺れた」。冷静な口ぶりに、勝利への貪欲さがにじんだ。
「斎藤は後半の粘り強さがある」「鈴木はスタートダッシュの加速がいい」と互いを評価。橋本佳久監督は「タイプの違う2人がうまく融合している。全国優勝を狙えるペア」と期待する。「最高のライバルで、最高の相棒」と語る2人は、約2週間後の全国大会で最高の呼吸を合わせる。