下北ワインを製造している青森県むつ市の「サンマモルワイナリー」は3日、昨年末から同市川内町沖の海底で熟成させていたワイン525本を引き上げる作業を行った。貝などが付着した瓶を洗浄し、工場で来春まで保管した後、同社の「下北ワインオーナー制度」の出資者に送る。今後、一般販売も検討する。
ワインは川内町沖1.2キロ、水温15度前後の海底21メートルに沈めていた。引き上げ作業は、当初3月末に行う予定だったが、より熟成を促進させるため期間を半年間に延長。3日午前9時ごろ、川内町漁協の職員7人が、海底から15本入りのケース計35個を引き上げた。
水温や湿度を一定に保つことができる海底熟成は、地上での貯蔵に比べて酸味がまろやかになるという。今回は陸奥湾産のホタテなど県産の魚介類と合わせることを想定し、2021年に収穫した「ライヒェンシュタイナー」と「シャルドネ」のブドウを使った辛口の白ワインを熟成した。
同社製造部の寺沢文也次長は「瓶に破損は見られず、海底でじっくり熟成が進んだと思う。まろやかな酸味や深い味わいに期待してほしい」と語った。