「暴力団、辞めませんか」アプローチは家族らへ 暴追センターがカード製作、警察署などで配布

暴力団組員の離脱などを促すカード=暴力団追放兵庫県民センター

 暴力団組員の社会復帰を後押ししようと、暴力団追放兵庫県民センター(神戸市中央区)が、「離脱就労支援カード」を作った。「もう暴力団、辞めませんか」のフレーズと共に、相談を受け付ける電話番号を掲載。県内の警察署や刑務所、拘置所など約100カ所に5月から置いており、家族や友人らを通じたアプローチを目指す。

 暴追センターによると、元組員の受け入れに賛同する事業所は年々増え、県内で約130カ所を確保。一方で、組織からの離脱や就労についての組員の相談はここ数年、年間1~4件にとどまり、周知が課題となっている。

 その原因が、支援対象者が現役の組員に限られるという取り組みの特異性だ。チラシの配布やイベントの開催など一般的な交通安全、防犯キャンペーンのようなスタイルは効果が薄い。

 そこで、組員と接点がある親族や友人らが訪れる可能性がある県内46警察署や神戸刑務所(兵庫県明石市)、尼崎、姫路の拘置支所、高速道路のサービスエリアなどでの間接的なPRを検討。持ち帰りやすい名刺大のカードを製作し、「ご家族など、どなたからの相談でも対応します」という言葉を添えた。

 暴追センターの担当者は「暴力団の抗争が長期化しており、離脱者が出る可能性はある。本人は難しくても、周囲へのアプローチを強めていきたい」とする。暴力団追放兵庫県民センターTEL078.362.8930(小川 晶)

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