強い毒性の特定外来生物「コカミアリ」が国内初侵入 岡山で発見、経由地の神戸港では確認されず

岡山県倉敷市の水島港で発見されたコカミアリ(環境省提供)

 環境省は12日、強い毒性を持つ特定外来生物「コカミアリ」が、岡山県倉敷市の水島港で陸揚げされた国際貨物コンテナなどから、約30匹確認されたと発表した。国内への侵入の確認は初めて。このコンテナは神戸港を経由しており、神戸市が調査したが経由地でコカミアリは見つからなかった。

 環境省などによると、コンテナを積んだ船はフィリピンの港から6月23日、同市東灘区の六甲アイランドに到着。内航船に積み替えた後、同27日に水島港に陸揚げされた。岡山県の定期調査で疑わしい個体が見つかり、専門家が特定した。コカミアリは処分された。

 神戸市は今月6日、環境省から連絡を受けて現地調査を実施。コンテナが置かれた周辺を調べたが、個体や巣は見つからなかった。神戸港でコンテナの開封はなかったという。

 市自然環境課は「動きが早いアリではなく、短期間でコンテナヤードから離れた場所に巣をつくることは考えにくい」とし、神戸での侵入はないとみている。

 コカミアリは体長1~2ミリと小さく、発見しにくい。刺されると毒で激しい痛みを感じる。繁殖能力が高く、定着すると根絶は非常に困難とされる。中南米で生息し、アフリカやニューカレドニアなどの太平洋諸島に侵入している。

 日本では2014年、成田空港の輸入植物の検疫で発見され、水際で侵入を阻止した例がある。

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