「涼宮ハルヒ」のイラストレーター・いとうさんが初の凱旋展 過去最大規模、初公開の作品も 兵庫・加古川

涼宮ハルヒの憂鬱(c)Nagaru Tanigawa,Noizi Ito/KADOKAWA=加古川総合文化センター提供

 兵庫県加古川市出身のイラストレーターで、人気ライトノベル「涼宮ハルヒ」シリーズなどで知られる、いとうのいぢさんの作品展が15日に加古川総合文化センター(同市平岡町新在家)で始まる。同市では初の開催。200点以上が並び、いとうさんの作品展としては過去最大規模に。古里をイメージした描きおろし作品のほか、今回限定のグッズ販売もあり、地元愛あふれる凱旋(がいせん)のイベントになりそうだ。(宮崎真彦)

 作品展は「いとうのいぢ展 ぜんぶ!」。9月3日まで。

 いとうさんはパソコンゲームブランド「ユニゾンシフト」を経て、フリーのイラストレーターとして活動を始めた。現在は、ライトノベルや美少女ゲームのイラスト、地域活性化プロジェクトのイメージキャラクターなど、数多くの作品を手がけている。

 代表作に、累計発行部数850万部超で、今年刊行20周年を迎えた「灼眼(しゃくがん)のシャナ」のほか、西宮市が舞台とされ、同市出身の谷川流さん原作の「涼宮ハルヒ」シリーズでイラストを担当している。

 世界中に多くのファンを持つ、いとうさんの魅力を地元の人に知ってもらおうと、同センターは数年前から作品展ができないか模索していた。「加古川市出身の代表的な文化人。でも、接触するのが難しかった」という。2年前に企画を打診する機会があり、いとうさんは「古里加古川のために協力できるなら」と快諾。新型コロナウイルス禍を経て、ようやく実現へ動き出した。

 過去には「涼宮ハルヒ」などシリーズごとの展示会は開催されていたが、いとうさんの作品を網羅的に展示するのは初めてという。

 いとうさんは今回、加古川市をイメージした少女のキャラクターを描きおろした。アコースティックギターを手にほほえみ、背景には同市の古刹(こさつ)・鶴林寺の沙羅(さら)の花。少女が着ているジャージーには、音楽やスポーツ活動が盛んな同市から着想を得たロゴが付いている。

 会場には初期の作品から近年手がけたイラストまでが並ぶ。作品を映像で紹介するコーナーやキャラクターと一緒に写真を撮ることができるエリアを設ける予定。初公開のイラストもあるという。サイン入りの複製原画は限定販売となる。

 いとうさんは「今まで作ったイラストを大ボリュームで展示するので、ぜひ楽しんでいただけたらうれしい」とメッセージを寄せている。

 午前10時~午後5時(最終入場は午後4時半)。一般(高校生以上)千円(前売り800円)、小中学生500円(同400円)。7月24日、8月14、28日休館。同センターTEL079.425.5300

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