将棋の藤井聡太王位(20)=竜王、名人、叡王、棋王、王将、棋聖=に佐々木大地七段(28)が挑む「伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦」(神戸新聞社主催)7番勝負第2局が13日、神戸市北区、有馬温泉の旅館「中の坊瑞苑」で始まる。両対局者が12日午後、旅館内の対局室を検分し、インタビューに応じた。
一問一答は次の通り。
【藤井聡太王位】
-神戸タータンのネクタイを着用している
ファンの人にいただいた。神戸にいらっしゃる際はぜひと言われたので、着用している。
-神戸・有馬温泉での対局は過去3勝0敗
対局場との相性を考えたことはないが、ここは素晴らしい対局場。有馬温泉で疲れを癒やしながら対局できていると感じている。
-第1局は序盤、スローペースで続いた。序盤の配分についてどのように考えている?
第1局は佐々木七段が早い段階から工夫し、こちらがうまく対応できずに苦しい時間が続いた。持ち時間8時間だと、展開によってどのようなペースで指していくのか変わるので、しっかり考えてやっていきたい。
-過去3人しか達成していない王位4連覇がかかっている
全く意識していないが、自分が初めて2日制のタイトル戦に出場したのが王位戦なので、いろいろな経験をさせてもらってなじみのあるタイトル。しっかり戦っていきたい気持ちはある。
-アマチュアの免状に羽生善治会長と連名で署名している
最近はかなり多くの人に申請をいただき、免状に注目していただいているのはありがたい。一枚一枚、丁寧に手書きしてきたいと思っている。
-明日の対局に向けて意気込みを
第1局は序盤でペースを握られてしまい、なかなか思うような展開にならなかったと感じているので、その反省点を踏まえ、この2日間、しっかり集中して戦っていきたい。 【佐々木大地七段】
-兵庫や神戸に思い出は
20年ほど前の小学生時代、春休みを利用して1週間ほど神戸を訪れ、水族館に行ったり甲子園球場で高校野球を観戦したりした。
-先月の棋聖戦第2局は兵庫県洲本市で藤井棋聖に挑戦し、勝利した
すごく海が見える対局室で景色も良くて、本当に対局に集中できたし、いい思い出になった。
-王位戦第1局は初めての2日制の対局だった。対局の印象や、2日制で対局しての藤井王位の印象は?
2日制で8時間で、本当にこれまで経験したことのない時間だったが、何時間あっても、やっぱり将棋の奥深さというか、難しさというのを痛感した1局。読んでも正解がわからなかったし、こちらがチャンスを作るのは難しかった。
-序盤のペース配分について
1局目に関しては、こちらが変化して本当に難しい序盤だったので、8時間あってよかった。角換わりだと1日目の午前中から駒が激しくぶつかるような展開に見えるが、それ以外だと8時間という豊富な持ち時間を生かし、悔いのないような将棋を指したいと思うので割とスローペースになる。
-藤井王位と佐々木七段の通算対戦成績は先手番が7勝1敗。第2局は佐々木七段が先手番になる
先手の利はあるので、それを生かして序盤から準備した展開に持っていければいいと思うし、積極的に動いていきたい。
-あらためて意気込みを
第1局で負けてしまい、厳しいスタートにはなるが、ここでタイに戻して7番勝負を盛り上げていきたい。