藤井王位「よりよい将棋を」佐々木七段「甘さを改善」 前夜祭で両対局者が抱負 将棋王位戦、13日神戸で第2局

前夜祭で花束を手にする藤井聡太王位(右)と佐々木大地七段=神戸市北区有馬町、旅館「中の坊瑞苑」(撮影・風斗雅博)

 将棋の「伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦」7番勝負第2局の前夜祭が12日、対局会場となる神戸市北区、有馬温泉の旅館「中の坊瑞苑」であり、両対局者が旅館に宿泊したファン約20人の間近で抱負を語った。

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 藤井聡太王位(20)=竜王、名人、叡王、棋王、王将、棋聖=は、ファンから贈られた「神戸タータン」柄のネクタイ姿で登場し「(勝利した)第1局は序盤からペースを握られ、とても苦しく長い将棋だった。よりよい将棋を指したい」。挑戦者の佐々木大地七段(28)は「第1局で初めて2日制を体験し、形勢判断の甘さが出てしまったので改善したい」と語った。

 トークショーでは、デイリースポーツの松下雄一郎記者(52)が司会を務めた。立会人の福崎文吾九段(63)は、十段のタイトルを奪取した際の逸話や、体力と気力を要する2日制対局の戦い方を紹介。「藤井さんには負けたことないね。戦ったことないから」などとユーモラスな語りで会場を沸かせた。

 第2局の戦型について、日本将棋連盟常務理事の井上慶太九段(59)=加古川市=らは、佐々木七段が得意な「相掛かり」と予想。両対局者は6月から棋聖戦5番勝負を含めて4局指し、いずれも先手番が勝っている。副立会人の村山慈明八段(39)は「明日は佐々木さんが先手番。ここまでずっといい勝負の内容が続いており、藤井さんにとって簡単な将棋にならないでしょう」と語った。(小林伸哉)

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