倉庫火災、いち早く気付き通報 連携プレーで迅速に初期消火 消防長、住民5人に感謝状「完璧な対応」 兵庫・豊岡

感謝状を受け取った(右から)柿坂省二さん、神尾忠夫さん、妻千春さん=豊岡市消防本部

 兵庫県豊岡市消防本部は、6月初旬に同市駄坂の倉庫で発生した火災にいち早く気づき、迅速な初期消火で延焼拡大を防いだとして、近くの柿坂省二さん(70)、修治さん(40)、慎治さん(36)の親子と、神尾忠夫さん(69)、千春さん(64)の夫妻に感謝状を贈った。井﨑博之消防長は「発見が遅れていれば、民家や林野への延焼は免れなかった」と、素早い連携をたたえた。(丸山桃奈)

 同本部によると、火災は6月7日正午前に民家倉庫で発生。田んぼで作業をしていた省二さんが立ち上る煙に気づいた。

 屋根から噴き出す炎も見えた。「知らせないかん」。省二さんは、近くに住む神尾千春さんと、自宅にいた息子2人に火災を伝えた後、119番通報した。息子2人は地区にある消火器、千春さんは忠夫さんとともに、自宅の庭で使う水道ホースで消火にあたった。

 千春さんの自宅は火元の倉庫のそばにあるが、「自宅よりも、山への延焼を防ぐことだけを考えていた」と当時の心境を語った。省二さんは「年1回開かれる地区の消火訓練に参加していたことが役に立った」といい、「1人ではできることが限られるので、周りに知らせることが何より大事。あと5分でも遅れていたら…」と振り返った。

 井﨑消防長は「大規模な火災になっていてもおかしくなかった。家族で連携し、完璧に対応していただいた」と感謝した。

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