片岡愛之助の密かな野望とは? 「出石そばの記録を更新」

近畿最古の芝居小屋「出石永楽館」(兵庫県豊岡市)で、2008年からほぼ毎年開催していた『永楽館歌舞伎』を、4年ぶりに復活させる歌舞伎俳優・片岡愛之助。7月12日に大阪市内でおこなわれた会見では、これまでの公演の思い出や、久々の出石来訪でチャレンジしたいことを語る場面があった。

兵庫県・豊岡市での『第十三回永楽館歌舞伎』に向け、会見をおこなった片岡愛之助(12日・大阪市内)

■ 当時はまさかの冷房無し、「劇場に氷の柱を立てていただきました(笑)」

「出石永楽館」は昭和初期の趣が色濃く残る、約350席の小さな芝居小屋。2008年の8月に初めて公演をおこなったときはまだ冷房が設置されておらず、「劇場に氷の柱を立てていただきました(笑)」という、今となっては驚きの光景を振りかえった愛之助。今回は久々に、残暑の季節の公演となるが、「今は冷房がついたので、お客さまにもやさしい芝居小屋になっています」と付け加えていた。

兵庫県・豊岡市での『第十三回永楽館歌舞伎』に向け、会見をおこなった片岡愛之助(12日・大阪市内)

公演の名物となっているのは、意外にも「口上」。通常は挨拶程度で終わるものだが、「できる限りいろんなことをしゃべるようにしたら、アンケートで1番人気がありました。『口上だけ見せて』という声もあって、本末転倒です」と苦笑しつつ、「毎回しゃべることを変えていますし、普段は見られない唯一無二の口上ですから、乞うご期待です」とアピールした。

■ 「自分のなかの記録が41皿なんです」

久々の出石来訪で楽しみにしているのは、小皿に分けて供されるのが特徴の「出石そば」。実はこの名物に対して、静かな野望を抱えているそう!? 「来るたびに食べていて、自分のなかの記録が41皿なんです(一般的には5皿で一人前)。歳を重ねていることもあり、この記録を更新できていないので、今回の滞在中に挑戦したいと思います」と宣言した。

兵庫県・豊岡市での『第十三回永楽館歌舞伎』に向け、会見をおこなった片岡愛之助(12日・大阪市内)

上演作品は『菅原伝授手習鑑 車引』と『釣女』で、愛之助以外の出演者は後日発表。公演期間は9月22日~26日で、チケットは一般1万3000円。豊岡市内の小学生~高校生は、3000円で観劇できる。7月23日から発売開始。公演期間中は、新大阪駅から公演専用バスが毎日運行される(要予約)。

取材・文・写真/吉永美和子

『第十三回永楽館歌舞伎』

期間:2023年9月22日(金)~26日(火)
会場:出石永楽館(兵庫県豊岡市出石町柳17-2)
料金:13000円

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