六甲山の天然氷でひんやり 神戸の展望台「六甲枝垂れ」で氷室開き 冷気と木の香りに「癒やされた」

11トンの氷が貯蔵された氷室=神戸市灘区六甲山町

 六甲山の天然氷を貯蔵した氷室を開放し、特別に公開する「氷室開き」が13日、神戸市灘区六甲山町の展望台「六甲枝垂(しだ)れ」であった。氷室を通った風が冷気となって展望台内部の「風室(ふうしつ)」に取り込まれ、来場者は、氷が解ける8月中旬まで「天然のクーラー」による涼を楽しめる。

 氷室開きは今年で12回目。かつては六甲山でできた天然の氷を神戸の市街地で売っていたという。

 氷は冬場、近くの人工池に雨水をため、凍らせて作る。今年1月下旬に約14トンの氷を切り出し、ヒノキ製で入り口が約1.4メートル四方の氷室で貯蔵してきた。

 氷室は普段別室に置かれて非公開だが、この日午前に氷室の扉を開き、山上を吹く風を取り入れた。見学は例年、5組限定だったが、今年は訪れた約50人全員に公開。来場者はのぞき込んで写真に収めたり、冷気を感じたりしていた。

 見学した女性(25)=同市灘区=は「年に1度の日に来てラッキー。木の香りがして、クーラーとは違う涼しさを感じ、癒やされた」と喜んでいた。

 展望台は午前10時~午後9時。無休。中学生以上千円、4歳~小学生500円。(劉 楓音)

© 株式会社神戸新聞社