らんまん第15週振りかえり・ヤマトグサ

裕福な造り酒屋の跡取り息子として生まれた主人公が、やがて植物学の道をひたすらに突き進む姿を描く連続テレビ小説『らんまん』(NHK朝ドラ)。7月15日は、「ヤマトグサ」と題する第15週(7月10日〜14日放送)を振りかえる。

共同で研究を進める万太郎(左、神木隆之介)と大窪(右、今野浩喜)(C)NHK

主人公・万太郎(神木隆之介)は、何の身分もない自分が新種の植物を発表するためにはどうすれば良いのか模索し、自らの手で図鑑を発刊することで植物学者として世の中に認めてもらうしかない、という結論にたどり着く。

そのため、昼間は大学で研究、夜は大畑印刷所へ通うことを決心する万太郎。万太郎から話を聞いた妻・寿恵子(浜辺美波)は承諾するものの、万太郎の身体への負担を心配する。

一方、植物学教室の田邊教授(要潤)は、高等女学校の校長に就任することになった動物学教授の美作(山本浩司)に実績を出せていないことについて嫌味を言われ、いらだちを隠せないでいた。さらには、そのいらだちを話しかけてきた講師の大窪(今野浩喜)に強くぶつけてしまう。

裁縫中に物思いにふける寿恵子(浜辺美波)(C)NHK

その頃、万太郎はいよいよ図鑑作りに向けて動き出すが、一方で寿恵子は万太郎と併走するつもりが何もできない自分を情けなく感じていた。長屋の住民たちに相談する寿恵子だったが、福治(池田鉄洋)からは「身の丈に合わない望みは不幸になる」「無茶しねえで、身の丈を見てやれよ」と諭される。

ほどなくして、図鑑作りの相談をするために大畑印刷所を訪れた万太郎だったが、現在印刷所は大盛況で、印刷機がいつ空くか分からない状況だという。すると、そこへ突然寿恵子がやってきて、石版印刷機を買いたいと申し出る。

寿恵子の突然の提案に、万太郎と大畑夫妻(奥田瑛二・鶴田真由)は驚くが、寿恵子の熱い一大決心もあり、高価な印刷機の購入へと踏み出す。そして万太郎たちが暮らす「十徳長屋」では、住民たちの応援のもと、印刷機を置くためのリフォーム計画が始動する。

ある植物標本を見る万太郎(神木隆之介)、大窪(今野浩喜)、波多野(前原滉)、藤丸(前原瑞樹)(C)NHK

そんなある日、長屋に大窪、波多野(前原滉)、藤丸(前原瑞樹)が訪ねてくる。大窪は、万太郎が高知で採取してきた植物を共同研究させてほしいという話を持ちかけにきたのだった。万太郎は、万太郎に感化されたという大窪の植物学への意欲を受け入れ、2人は植物学雑誌での発表を目標に研究することになる。

一方、植物学教室では、万太郎たちを見守ると決めた徳永助教授(田中哲司)が、田邊に共同研究について報告していた。自身の研究がうまくいかない焦りから納得のいかない田邊は強く反対するが、それに対し徳永は、「この研究に関わらなければ植物学教室は実績を出せない」ときっぱりと告げる。連日連夜、万太郎と大窪は研究に励み、ついに高知で採取した植物を新種だと認めることができて・・・。

本作は、「日本の植物学の父」と謳われる牧野富太郎(まきのとみたろう)の人生をモデルに、激動の時代で草花と情熱的に向き合い続ける植物学者の物語。放送は、NHK総合で朝8時から、またBSプレミアム・BS4Kでは朝7時半からスタート。土曜日はその週の振りかえり。

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