「カテーテル治療後に複数死亡」外部に検証依頼へ 神戸徳洲会病院の調査委「妥当性を検討していく」

記者会見で調査方針について説明する新保雅也院長(右端)や医療法人徳洲会の幹部ら=14日夜、神戸市垂水区上高丸1

 神戸徳洲会病院(神戸市垂水区)で特定の男性医師が携わったカテーテル治療の後、複数の患者が死亡したことを巡り、同病院は14日、治療が適切だったかを内部で検証する「医療安全調査委員会」を開いた。男性医師が手がけた治療2件について、国の「医療事故調査制度」に基づき、外部の専門家に経緯の検証を依頼すると明らかにした。

 この男性医師は今年1月、同病院の循環器内科に赴任。心臓疾患患者や透析患者らに行ったカテーテル治療や検査で、処置後に少なくとも患者5人が死亡し、他にも複数人の容体が悪化したとして、病院関係者らが神戸市などに告発文を送付していた。これを受けて、市は今月5日と10日に医療法に基づく立ち入り検査を実施し、カルテの不備などを確認している。

 同調査委はこの日、男性医師が行った心臓疾患と足の血管に関するカテーテル治療2件を検証。いずれも診断書には「病死」と記載されていた。

 同調査委の終了後、新保雅也院長や運営法人「徳洲会」(東京)の幹部らが会見。「手術の処置がどこまで妥当だったかについて、本日だけで踏み込んだ検証はできない」と説明し、今後は医療事故調査制度にのっとり、「複数の外部の専門家を招いて処置の妥当性を検討していきたい」と述べた。

 この2件以外にも、1月以降にこの男性医師が手がけたほぼ全てのカテーテル治療について「本部が主導権をもって病院とともに調査する」と説明。調査は2週間以内に完了する見通しで「必要があれば同様に第三者に判断を任せる」とした。(勝浦美香、綱嶋葉名、井沢泰斗)

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