「ブレイキン」って? パリオリンピックの新種目 “うまさ” より “楽しさ” を

来年のパリオリンピックで正式競技となり、注目を集めるスポーツがあります。その名も「ブレイキン」。いったい、どんなスポーツなのか、取材してきました。

ある日の夜、リズムに乗せて体を動かす集団が…。何をやっているかというと、「ブレイキン」なのです。一般的にはブレイクダンスとも呼ばれていますが、2024年のパリオリンピックで正式種目に決まり、来年、「ブレイク」するのは間違いなしの競技です。

このブレイキン、ニューヨークギャングの抗争を平和的に解決する手段として用いられたのが起源といわれています。

現代のスポーツとしてのブレイキンは、技術・表現・構成などが評価基準になっています。

そして、この競技を広島にも広めようと「出来る!って楽しい!」をモットーに活動しているのが、ピーススクール広島。2年前から広島県内でブレイクダンスの全国大会「ブレイクダンスの日」を開催するなど精力的に活動しています。

そして、その活動の一環で子どもたちに向けた教室も開催。指導している 佐保俊樹 さんは、うまくなることよりも、まずは「楽しさ」を第一に考え、子どもたちの成長を手助けしています。

ピーススクール広島 佐保俊樹 さん
「技ができる喜び・楽しさだったり、あとは仲間と一緒にできるところですね。ブレイクダンスって楽しいんだよ。難しいところもあるけれど、できたとき、すごく楽しいよと、その楽しさを一番に伝えていけたらいいかなと思っています」

現在、この教室にはダンス歴5年の小学6年生から、始めて4か月の小学1年生までが所属していて、基礎的な技から応用編まで幅広く指導しています。

ダンス歴10か月 笠岡莉空 くん(小5)
「(この教室は)お父さんにすすめられました。来年、パリオリンピックで種目としてブレイクダンスが追加されたので楽しみです」

ダンス歴10か月 山根尊伍 くん(小5)
「バトルとか試合とかサイファーとか、ダンスしているときが楽しい」

ダンス歴4か月 角野温音 くん(小1)
「楽しいです。できればオリンピックに出たいかな」

ダンス歴5年 樋口拓海 くん(小6)
「オリジナルの技とかを作って踊れるから楽しいです。活躍できる選手になって金メダルとか取ってみたいです」

ピーススクール広島 佐保俊樹 さん
「自分らしく、本当に楽しく、いつまでも踊ってくれるのが一番いいかなと。それぞれが「楽しい」を見つけて、長く踊ってもらって、ダンスをやってよかったな、楽しかったなと思ってもらえるのが一番かなと」

ブレイキンは、立ってステップを踏む「トップロック」―。

かがんだ状態で足さばきを披露する「フットワーク」―。

アクロバティックな動きをする「パワームーブ」―。

そして、体の動きを止める「フリーズ」―。主にこの4つの動きを一連の流れで見せていきます。

講師の佐保さんと 平岡修 さんに実際のバトルを行ってもらいました。

実況:坂上俊次 アナウンサー
「まずは先攻の平岡さんが『トップロック』。リズムに乗って、自身のボルテージを上げていきます。軽快なステップであります。そして、イマジネーションを高めていきます」

「回転技(『ウインドミル』)に入ります。回転してから『ワーム』。ワームを日本語に訳すと『いもむし』っていうことで、いもむしっぽいですね。そんな動きです」

「続いて後攻・佐保さん、細かい動きが得意。まずはハンド系の技『タートルバック』。手だけで体全体を支えて後ろへ進んでいきます。これだけじゃありません」

「後ろに行ったあと、切り返して続いています。佐保さん独自の前に進むタートルウォークを披露」

「佐保さんプチ情報、(RCC『イマナマ!』キャスターの)中根夕希 さんの大ファンだということです。中根さん、見ていますでしょうか。みごとに決まりました」

「攻守交替。平岡さんの大技がいきなり出ます。これは、平岡さんオリジナルの『斜軸』。斜めの軸。みごとにそのとおりになっています。本来、重心をとる手と逆の手で体全体を支えます」

「技のコツは、とにかく勢い。自分自身で技を編み出せるのも、ブレイキンのおもしろいところ。その場で曲に合わせて、即興なんです。ですから、このあたりの動きもすべて、その場のイマジネーションということなんですね」

「いよいよ、バトルは終盤に。佐保さん得意の、ハンド系の技で攻めます。回ります。回って止まります」

「こちらは何かというと『エアタートル』。さきほどの『タートルウォーク』と同様に手だけで体を支えて回転して、回転して、足はつかずに、最終的にどうするかというと、止まるということなんですね。体幹が効いています。『フリーズ』が決まっています」

「さあ、これから盛り上がりをみせるであろうブレイキン。ぜひ、みなさん、注目してみてはいかがでしょうか」

― ピーススクール広島は、広島市中区・府中町・呉市で毎週、レッスンを行っていて、SNSでも情報発信しているということです。

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