1000人総踊り、活気戻る 七尾港まつり、飛び入り参加認め倍増

そろいの浴衣で優雅に踊る参加者=七尾市の御祓川大通り

 第82回七尾港まつり(同実行委主催、北國新聞社共催)は最終日の16日、七尾市中心部の御祓川大通りで総踊りの輪が広がり、コロナ前の活気が戻った。24団体約千人がそろいの浴衣や法被で優雅に踊り、昨年は制限していた飛び入り参加も認めた。七尾が舞台のアニメ「君は放課後インソムニア(君ソム)」とのコラボ企画もあり、多くのファンの姿が見られた。

 踊り手には、浴衣を着た君ソムのキャラクターが描かれた特製うちわが配られ、「七尾まだら」「みなとヨイサ」「等伯さん」の曲目で息の合った踊りを披露した。昨年の参加者はコロナのPCR検査を受けた事前登録団体の約500人にとどまり、今回は踊り手が倍増した。

 地元プロスポーツチームからは男子バスケットボールの金沢武士団(サムライズ)、女子サッカーのリリーウルフF石川の選手が踊りに加わった。グループホームを運営する「楓の家」、住宅メーカー「シティハウス産業」が初参加した。総踊りの模様はラジオななおが生中継した。

 君ソムのうちわは来場者にも計900枚が配布され、長い行列ができた。ダンスやよさこいの「路上パフォーマンス」、演奏や合唱を披露する「潮風のメロディー」もにぎわった。

  ●「君ソム」声優、聖地愛あふれ トークショー

 七尾港まつりでは、七尾市を舞台としたアニメ「君は放課後インソムニア(君ソム)」で登場人物の声を演じた声優3人によるトークショーが行われた。全国からファン約1300人が詰めかけ、作品や聖地七尾への愛にあふれたやりとりに聞き入った。

 トークショーは2部制で、同市の道の駅「能登食祭市場」と御祓川大通り特設ステージで開催された。主人公中見丸太(がんた)役の佐藤元さん、ヒロイン曲伊咲(まがりいさき)役の田村好(このみ)さん、主人公の親友受川太鳳(たお)役の山下誠一郎さんが登壇し、収録の思い出や七尾を訪れた感想を語った。

 主演の佐藤さんは市内の至る所に君ソム関連のグッズやポスターがあることに触れ、「街全体で応援していただいて、僕たちは幸せ者だと思う」と感謝した。

 田村さんはこの作品で初めてメインヒロインを務め「がむしゃらに芝居をした」と振り返った。山下さんは「(セリフで登場した)8番ラーメンを食べてみたい」と話し、会場を和ませた。

 千葉市から訪れた中川明(あ)香利(かり)さん(23)はイベントを機に初めて七尾を訪れ「アニメで出てきた景色がたくさんあって感動した」と笑顔を見せた。

  ●七尾まだらも 保存会員ら150人

 七尾港まつりに合わせ、御祓川大通りでは第9回七尾まだら総おどり大会(北國新聞社、テレビ金沢、ラジオななお後援)が行われた。七尾まだら保存会員ら約150人が県無形民俗文化財「七尾まだら」の唄と踊りを披露し、伝統の祝儀歌継承を誓った。

 保存会のほか、七尾まだら伝承会、七尾まだら愛好会、七尾まだら会、金沢七尾まだら愛好会の会員が「めでた」「能登の岬」などを舞って交流した。「七尾まだら音頭」の輪踊りも繰り広げた。ゲスト出演した瀬尾明美民踊社中、友禅民踊の会も花を添えた。

 大会に先立ち、会員は七尾まだらの石碑が立つ会場周辺を清掃した。

  ●海自艦など公開 西田氏が激励

 七尾港矢田新第一埠頭(ふとう)では、海上自衛隊の多用途支援艦「ひうち」、七尾海上保安部の巡視艇「はまゆき」が並んで接岸し、一般公開された。西田昭二国土交通政務官が視察に訪れ、乗員を激励した。

 「ひうち」は17日も午前10時~正午に公開する。

トークを披露した(左から)佐藤さん、田村さん、山下さん=七尾市の道の駅「能登食祭市場」
七尾まだら「めでた」を披露する会員=七尾市の御祓川大通り
並んで接岸した「はまゆき」(左)と「ひうち」=七尾港矢田新第一埠頭

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