ベスト8、出そろう 全国高校野球山形大会第7日

〈酒田南―日大山形〉9回裏日大2死二塁、2番浅野隼人が左前適時打を放ち、2―1とサヨナラ勝ちを決める=中山町・ヤマリョースタジアム山形

 第105回全国高校野球選手権記念山形大会は第7日の16日、中山町のヤマリョースタジアム山形(県野球場)と山形市のきらやかスタジアムで3回戦の残り4試合を行い、日大山形、山形城北、山形商、羽黒が勝ち、8強が出そろった。

 日大は同点で迎えた九回に2番浅野隼人が左前にサヨナラ打を放ち、酒田南に2―1で競り勝った。城北は四回に5番鈴木結誠の2点適時打で先制するなどして主導権を握り、5―1で米沢工を退けた。山商は序盤に、2番滝口大和らが足を絡めて広げた好機を生かし、7―1で寒河江に快勝した。羽黒は先発山田舞侑の投打にわたる活躍で山形南に10―0の五回コールド勝ちした。

 第8日の17日はヤマリョースタジアムで準々決勝2試合を行う。

日大山形、伏兵お手柄

 【ヒーロー】伏兵が土壇場で大仕事をやってのけた。日大山形の2番浅野隼人だ。1―1で迎えた最終回に左前適時打を放ち、強敵・酒田南との熱戦に終止符を打った。「自分が試合を決めるつもりで振り抜いた」。歓喜に沸く仲間に、祝福でもみくちゃにされた2年生は会心の一打に胸を張った。

 九回裏2死二塁。ピンチを切り抜けた直後の好機で打順が回ってきた。この試合はここまで快音がなかったものの、「待ち望んだ場面」と本人。荒木準也監督も「当て勘がいいので、やってくれそうな気がした」と勝負を託した。

 落ち着いて打席に立つと、直球を強振した。打球の行方を追いながら一塁に走りだし「ヒットになる」と確信した。左翼手の前に落ちると、送球の間に二走土屋巧が生還した。値千金のサヨナラ打に「少し詰まったけど、気持ちで持っていった」と力を込めた。

 今春の県大会と東北大会は出番が限られて「悔しかった」。得意の守備に磨きをかけて先発メンバーを勝ち取った背番号17は、打撃でも存在感を放ち「すごく自信になる試合だった」と手応えは十分のようだ。チームもひりつく展開の勝負をものにして活気づく。勝利の立役者は「次もチームを勢いづけたい」と意気込んだ。

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