作況占う「旗上げ神事」 みやき・綾部八幡神社 大役の男衆、災害減少願い

神旗を付けた竹を大イチョウの木に固定する男衆=みやき町の綾部八幡神社

 日本最古の天気予報として知られる「旗上げ神事」が15日、みやき町の綾部八幡神社(吉戒雅臣宮司)であった。地域住民らが見守る中、男衆3人が境内にある大イチョウに、天候などを占う神旗を掲げた。

 神事は風の神様をまつる同神社で951(天暦5)年から伝わる。毎年7月15日に旗を上げ、9月24日の「旗下ろし神事」まで吉戒宮司が朝夕2回、旗を観察し、旗の巻き具合などを見て天候や農作物の作況を占う。

 男衆3人は小川でみそぎを済ませた後、締め込み姿で登場。樹齢700年の大イチョウに登り、神旗をくくり付けた竹を慎重に引き上げながら、地上約30メートルの高さで旗がなびくよう縄を使って木に固定した。

 6度目の大役を果たした城野健一さん(35)は「最近は大雨による被害が多く、少しでも災害が減ってほしい」と期待を込めた。(井手一希)

神旗を付けた竹を大イチョウの木に固定するため、竹を持ち上げる人たち=みやき町の綾部八幡神社

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