「白星がほしい」プロ14年目の “したたかさ” ベテラン・柏好文がサンフレッチェ広島を救う

広島カープが好調な一方、サンフレッチェ広島は勝利から6試合遠ざかるなど苦しんでいます。そんな中、16日(日)の明治安田生命Jリーグ第21節は、後半アディショナルタイムにドラマが待っていました。

選手のけがや体調不良もあり、リーグ戦・カップ戦・天皇杯と公式戦6試合連続で白星のないサンフレッチェ。

サポーターたち
「勝ってもらわないと困ります」
「天皇杯、ことしも決勝に行きたかったですけど、ここから仕切り直しで勝ってくれると思います」
「けが人とか体調不良者とか出て、心配だったんですけど、きょうはそういう人たちも復活しているのが見れそうだし、うまく連携取って勝っててくれれば」

16日の横浜FC戦は、けがからおよそ2か月ぶりに 塩谷司 が復帰するなど、離脱していた選手たちも続々と復帰。また、警告の累積で出場停止の ベンカリファ に代わり、20歳の 棚田遼 が、キャリア初となるリーグ戦のスタメンを務めました。

オープニングシュートを放ったのは、背番号33。帰ってきた塩谷が持ち前の積極性を見せると、棚田も自らが得意だと語るターンからのシュート。前節にはいなかったメンバーがゴールに迫りますが、得点とはならず、スコアレスで前半を折り返します。

ハーフタイムに「前から圧をかけよう」とスキッベ監督から指示があって臨んだ後半、サンフレッチェが攻勢を強めます。

高い位置で 野津田岳人 がボールを奪うと、すぐさまボールは、1トップの棚田へ。波状攻撃で得点のにおいが漂いますが、引いて守りを固める相手のディフェンスをこじ開けられません。

すると後半41分。相手の右サイドからドリブルで崩されると、先制点は横浜FCに…。終盤に絶体絶命、静まりかえるスタジアム。

ただ、それでも試合終了間際のアディショナルタイム。相手ゴールキーパーの後ろに隠れていた 柏好文 が一瞬のスキを逃しません。ボールを奪うと、最後は ソティリウ が冷静に無人のゴールへ。ゴール経験豊富なベテランのしたたかさが発揮された同点ゴール。

またも勝利とはならなかったサンフレッチェですが、土壇場で意地の勝ち点1を手にしました。

サンフレッチェ広島 柏好文 選手
「まだまだ自分たちの力はこんなもんじゃないと示したかったけど、そこはオフ明けから示せるようにやりたい。キーパーが1回も後ろを確認することがなかったので、キーパーの左側から視界に消えるようなコース取りをしてから、ボールを置いた瞬間、トップスピードに行けるようギアを上げられる準備はしていたので。自分自身、プロとして14年生きてきたので “したたかさ” や “ずる賢さ” 、“考える力” っていうのをもっと突き詰めていきたい」

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