池田、男子グレコ63キロ級代表に 山形商高出、9月の世界レスリング

 レスリングの非五輪階級の世界選手権(9月、セルビア・ベオグラード)代表決定プレーオフは17日、東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで男女計10階級を行った。男子グレコローマンスタイル63キロ級は先月の明治杯全日本選抜選手権で頂点に立った池田龍斗(a.c.wals・山形商高出)が稲葉海人(日体大大学院)との接戦を制し、2年連続で世界選手権の代表権を獲得した。

【ヒーロー】意地見せることできた

 男子グレコローマンスタイル63キロ級の池田龍斗が再び世界で戦うチャンスをつかんだ。大学時代の同期・稲葉海人との白熱した攻防を制して世界選手権の代表入りを決め、「意地を見せることができた」。この階級の第一人者は安堵(あんど)を口にした。

 持ち味とする攻めの姿勢を貫き、1―0で折り返したものの、後半はローリングを決められた。劣勢に立たされても「流れはまた来る」。気落ちすることなく攻め続けた。残り1分を切った勝負どころで、リフト技から場外ポイントを奪うと、相手の反則も絡んで逆転に成功した。

 昨年末の全日本選手権王者を撃破して勝ち上がった稲葉とは一緒に練習してきた仲で「やりづらさはあった」。それでも「こんなところで負けていられない」との思いで試合をひっくり返してみせた。4―3の薄氷の勝利に「何とか代表権を取れて良かった」と息をついた。

 地道な努力で大学4年時に全日本学生選手権を制覇。今年3月からオーストリアに渡り、ザルツブルクのクラブチームで指導に当たる。「人生を変えてみせる」と国際舞台に挑み続け、前回の世界選手権は「何もできなかった」と実力不足を痛感したという。それだけに「次こそ勝って表彰台に立つ」。悔しさを糧に成長を遂げた気鋭の23歳は飛躍の舞台を楽しみにしている様子だった。

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