2022年産陸奥湾ホタテ、例年の8割 「親貝」は微増、成育順調

 青森県は18日、2022年産の陸奥湾養殖ホタテガイを対象とした春季実態調査結果を公表した。湾内における22年産貝の保有枚数は9億8730万枚で、過去5年平均の77%だった(4月30日時点)。へい死率(死んだホタテの割合)や異常貝率は平年並みで、成育は順調。全体量が少ない中でも確実な生産につなげるため、県などは徹底した養殖管理をするよう漁業者に呼びかけた。

 調査は湾内各漁協や県、市町村などが5月中旬、湾内10漁協で実施。県が18日、青森市の県水産ビルで関係者に結果を報告した。

 近年陸奥湾では稚貝不足などによるホタテの減産傾向が続いている。青森県の主力である半成貝の今年の水揚げ量は、6月末までに3万5679トン(県漁連まとめ)と、例年に比べかなり少ない状況となっている。

 22年産貝の出荷予定先は、半成貝6億8429万枚、新貝1億5212万枚、(親貝となる)成貝1億5088万枚だった。成貝の数は5カ年平均の87%だったが、22年産全体に占める割合は15.3%と、5カ年平均の13.6%をやや上回った。

 へい死率は4.1%で、平年値を0.8ポイント下回った。貝殻が欠けたり変色したりする異常貝の発生率は1.8%で、平年値を2.6ポイント下回った。殻の長さは7.6センチ、全重量と身の重さを示す軟体部重量はそれぞれ46.7グラム、18.0グラムといずれも平年並みだった。

 報告会に出席した青森産技センター水産総合研究所の中田健一所長は「現在保有している親貝は、確実に来年の採卵につなげるために、しっかり管理してほしい。水総研としても安定生産に向けた迅速な情報提供に努め、漁業者を支援したい」と語った。

 10月に行われる秋季実態調査では稚貝の枚数も調べ、来年度の生産規模の見通しが明らかになる予定。

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