珠洲市で20日に開幕する市無形民俗文化財「燈籠山(とろやま)祭り」を翌日に控えた19日、祭りのシンボルである人形を乗せた高さ16メートルの山車(やま)が完成した。5月に発生した震度6強の地震からの復興を願い、男衆が組み立て作業を進めてきた。今年の祭りは新型コロナの制限がなく、関係者は「多くの人に珠洲の元気を見せたい」と意気込んでいる。
山車「燈籠山」は人形が載る「大台」と、その下の「小台」「枠障子」で構成される。19日は午前6時から男衆約30人が飯田町の飯田わくわく広場に集まって台座を組み上げ、江戸時代の火消しをモチーフとした高さ約6メートルの人形をクレーンで載せた。
飯田町祭礼委員会燈籠山部会の田中薫部会長は「雨が強まる前に作業を終えることができてよかった。本番は皆さんに楽しんでほしい」と語った。
燈籠山祭りは新型コロナの影響で2020、21年の2年連続で取りやめとなり、22年は市外の人が燈籠山や曳山(ひきやま)を引く際にはコロナの陰性証明書の提示を求めるなど対策を徹底した。今年は新型コロナの5類移行を受けて制限をなくす。
一方、地震対策ガイドラインを作成し、震度5以上が発生した場合は燈籠山をその場で固定し、引き手は一時避難することを決めた。震度4の場合は巡行を一時中断し、執行部で対策を協議する。