【マレーシア】日系Opn、後払い決済サービスの提供開始[金融]

フィンテック(ITを活用した金融サービス)事業を手がけるOPNホールディングス(商号Opn、東京都中央区)は18日、マレーシアとシンガポールで後払い決済サービス「Atome(アトミ)」の提供を開始したと発表した。同社が運営するオンライン決済プラットフォーム「Opnペイメンツ」の加盟店を対象に提供する。

Atomeの導入により、消費者は手数料と金利なしで、支払期限を3カ月とする3回の分割払いが可能になる。一方、Opnペイメンツの加盟店は、購入時に代金を一括で受け取ることができる。

後払い決済を導入することで、消費者が高額商品を購入しやすくなるため、購入率と客単価の向上を図れるという利点もある。Opnペイメンツ加盟店は、マレーシアとシンガポールで合わせて100万人を超えるAtomeのユーザー層を取り込めると予測されている。

世界銀行によると、クレジットカードの保有率はマレーシアで7.9%、シンガポールでも41.7%にとどまっている。後払い決済サービスはクレジットカードを持っていない消費者も利用できるため人気が高まっているという。

米調査会社リサーチ・アンド・マーケッツによると、マレーシアの後払い決済市場の年間成長率は23.6%で、2023年には22億9,860万米ドル(約3,200億円)に達すると予測されている。シンガポールの後払い決済市場も年20.6%拡大し、23年には12億7,040万米ドルに達すると見込まれている。

OPNホールディングスは13年の設立。日本、東南アジア、米国に拠点を構える。主要株主には、トヨタ自動車の金融事業を統括するトヨタファイナンシャルサービス、タイの商業銀行大手サイアム商業銀行(SCB)の子会社でベンチャーキャピタル(VC)のSCB10Xが含まれる。

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