狙われる“ポケカ” 相次ぐポケモンカード窃盗事件…対策は(静岡県)

18日、静岡・藤枝市のホビー商品の販売・買取専門店で大量のポケモンカードが盗まれました。いま全国でポケモンカードの窃盗事件が相次いでいることを受け、カードの取り扱い店では対策が求められています。

18日午前3時ごろ。入り口のガラスをたたき割り、店内に侵入する何者かの姿…。防犯カメラの映像をよく見ると、フードを深々と被り、マスクを付けて顔を隠しているのがわかります。侵入者は店内を走りながら一目散にある場所へ。お目当ての棚の前に立つと、今度もハンマーの様な物を使い、陳列棚のガラスを叩き割って、大量のポケモンカードを盗んでいます。その後、侵入者は急いで店内から走り去っていきました。侵入してから逃走するまで約4分。

この映像が撮影されたのは、藤枝市のホビー商品販売・買取専門店「駿河屋藤枝店」です。店によりますと、盗まれたポケモンカードの被害総額は100万円以上とみられ、店長も落胆の色を隠せません。

(駿河屋藤枝店 店長)

「(近所の)住民の方の通報で店の窓ガラスが割れていると、警察に通報してもらったおかげで、盗難に気づいた」「犯人が犯行をする気にならないような環境をつくっていくべきだと思う」

被害を受け店は警察に被害届を出したという事です。

いま、県内に限らずポケモンカードの窃盗が多発しています。東京・秋葉原にあるカードショップ。防犯カメラが捉えた、その一部始終。午前0時半すぎ、店の前に現れた2人組。バールのようなもので閉まっているシャッターをこじあけ…防犯カメラの角度を変えます。その後、わずかな隙間を、這うように店内へ。侵入するやいなや、目の前のショーケースを…次々と破壊。ライトを照らしながらカードなどを盗んでいきます。

このように、近年、各地のカードショップでのポケモンカードの窃盗が多発しています。なぜこんなにもポケモンカードが盗まれる事態が多発するのでしょうか?静岡市葵区にある駿河屋静岡本店の筒井店長は、カードが高額で取引されることが盗まれる要因ではないかと話します。

(駿河屋静岡本店 筒井貞光 店長)

「高額だと、1000万単位とか何百万単位だとかになる」

また、小さなポケモンカード一枚が、信じられない程の高額な金額で取引きされることで、高価な電化製品や現金とは異なり比較的、盗みやすいと思われた事が、盗難のリスクが上がった原因ではないかと筒井店長は話していました。そこで、こちらの店舗では、盗難防止として、ある対策をしていると言います。

(駿河屋静岡本店 筒井貞光 店長)

「高額の物、例えば当店ですと2万円以上とか、1万円を超える商品は、商品のコピーを撮って、コピーの紙を並べる感じで、本物は別の所に保管して販売するときに客にレジで直接状態を見てもらい渡している」

今回の盗難を受け、駿河屋では、今後、防犯対策をさらに強化するといます。

(駿河屋静岡本店 筒井貞光 店長)

「防犯カメラだったり、ケースをさらに強化していく方向で動いている」

カードゲームの枠を超え、本来の目的とは異なる方向に向かっているようにも見えるポケモンカード。取り扱い店の苦悩は今後もしばらく続きそうです。

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