JR五能線・深浦(青森県)-能代(秋田県)間、8月中旬再開へ 被害30カ所、順次復旧

 秋田県を中心とした記録的な大雨で被害を受けたJR五能線深浦-能代間の運転再開時期について、JR東日本秋田支社は20日、8月中旬ごろの運転再開を目指す方針を明らかにした。運休の長期化も懸念していた青森県深浦町の観光関係者は、再開見通しが示されたことに安堵(あんど)しつつ夏休みの書き入れ時に向けて一日も早い復旧を願った。

 JRによると、五能線深浦-能代間ではこれまでに、盛り土の流出や線路への土砂流入、倒木など、大小合わせて約30カ所で被害が確認された。被害が最も大きい箇所は秋田県八峰町の鳥形-沢目間で、大雨により盛り土が流出し、線路が宙づりとなった。JRは、着手可能な箇所から順次、土砂や倒木の撤去などの復旧作業に入っている。八峰町の被害箇所では、流出した盛り土を元に戻し、線路の復旧を進める計画。

 深浦-能代間の復旧により、現在青森-深浦間で折り返し運転している観光列車「リゾートしらかみ」は、青森-秋田間の全線で運行できる。「しらかみ」の全線運行再開の具体的な時期については、復旧の進み具合に応じてあらためて示す方針という。

 五能線の復旧見通しについて、アオーネ白神十二湖(深浦町)の斉藤智晴支配人は「うれしい。このぐらいで済んで良かった。(書き入れ時の)お盆前を目指し、一日でも早い復旧をお願いしたい」と期待した。不老ふ死温泉(同町)の西﨑朋社長=町観光協会代表理事=も「すごく助かる。ありがたい」と話した。

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