被災地に大輪のエール 北國花火珠洲大会

燈籠山祭りを彩った北國花火珠洲大会=20日午後8時12分、珠洲市飯田町(多重露光)

  ●燈籠山祭り開幕、復興へ力強く巡行

 珠洲市無形民俗文化財「燈籠山(とろやま)祭り」は20日、同市飯田町で開幕し、高さ16メートルの山車(やま)「燈籠山」と絢爛(けんらん)豪華な曳山(ひきやま)計9基が奥能登地震からの復興が進む被災地を力強く巡行した。飯田港で行われた北國花火珠洲大会(北國新聞社主催)では鮮やかな光の大輪が夜空を彩り、相次ぐ地震で疲弊する住民にエールを送った。

 花火大会は燈籠山と地元8町の曳山が吾妻(あづま)橋に勢ぞろいした午後8時に始まった。7号玉で幕を開けると、スターマインなどが次々と打ち上げられ、夜空に赤や緑、黄色の光をきらめかせた。

 フィナーレを飾ったスターマイン「燈籠山祭りの輝き」と7号玉の競演では、光が織り成す幻想的な空間に大勢の観客が見入り、歓声を上げながら盛大な夏空のショーを楽しんだ。

 同市蛸島町の稲荷美登子さん(77)は地震で自宅の瓦が落ちるなどの被害を受けたとし「花火を見て元気をもらった。また明日からも頑張ろうと思えた」と語った。

 20日、昨年6月の震度6弱の地震で鳥居が倒壊した春日神社では、再建した鳥居の竣工(しゅんこう)祭が行われた。

 最終日の21日は曳山の巡行が繰り広げられる。

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