千里浜、念願の浜開き 断念から一転、人波

千里浜海水浴場で水遊びを楽しむ家族連れ=羽咋市千里浜海岸

 羽咋市の千里浜海水浴場が23日、例年より約2週間遅れで浜開きした。唯一の浜茶屋「山田屋」の店主山田俊一さん(75)が高齢と設営の負担増を理由に一度は営業の見送りを決めたが、市の新たな財政支援などを受けて開設にこぎ着けた。真夏日となったこの日、千里浜海岸には涼を求めて多くの海水浴客が訪れ、関係者はさらなる人波に期待を込めた。

 今夏の営業断念をいったんは決めた山田屋に対し、市が財政支援を従来の10万円から200万円に拡大。近くにある「能登千里浜レストハウス」が2階を救護スペースとして提供したことで開設条件を満たした。

 浜開きには岸博一市長や稲村建男県議ら約20人が出席し、千里浜神社の髙井勇學宮司が祝詞を奏上。神職2人と千里浜浜茶屋組合長を務める山田さんが、にぎわいと安全を願ってハマグリを海に投げ入れた。

 昨年は高波の影響で千里浜なぎさドライブウェイの通行が規制される日が多く、山田屋の利用者は例年の半分程度にとどまった。海水浴場は8月末まで開設され、山田さんは「今年は千客万来を期待したい」と話した。

 岐阜市から家族3人で訪れた会社員平田貴仁さん(35)は「海水浴といえば千里浜。監視員がいるので安心して遊泳できる」と喜んだ。

 千里浜なぎさドライブウェイの駐車帯には県内外から訪れた多くの車が並んだ。京都市の会社役員井口昌彦さん(49)は「遠浅で泳ぎやすいので毎年来ている。来年も訪れたい」と笑顔を見せた。

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