茨城・下館一高の文芸部 俳句甲子園、狙う頂点 8月開幕 本番へ創作に励む

俳句甲子園を前に意見を交わす県立下館一高文芸部のメンバー=筑西市下中山

松山市で8月に開かれる第26回「俳句甲子園」(全国高校俳句選手権大会)に茨城県筑西市の県立下館一高が出場する。10年ぶり12回目。メンバーは「先輩があと一歩で逃した全国制覇を目指す」と意気込み、本番で発表する俳句の創作に励んでいる。

メンバーはいずれも文芸部1年の女子生徒で、筒井輝さん、横塚ひばりさん、松本凜さん、武井佳奈さん、安田心優さん、鉾田朱里さん。

6人は2020年開校の同校付属中の1期生。中高合同の文芸部に中学2年時から所属し、週1回の活動を中心に俳句・短歌作りに励んできた。

全国切符を懸けた地方大会が6月、群馬県高崎市で開かれ、同校からは2チームが出場。筒井さんらのチームは、県立結城二高(結城市)など3校との総当たり戦で全勝し、優勝した。安田さんは「緊張して手が震え、(質疑応答で使う)電子辞書が思うように開けられなかった」と振り返る。

俳句甲子園は、高校生が5人1チームで俳句の出来栄えと、質疑応答による鑑賞力を競う。今年は地方大会に30都道府県の75校110チームが応募。優勝した20チームと、投句審査で選ばれた12チームが全国大会に出場する。

全国大会は8月19、20の両日、松山市内で開かれ、あらかじめテーマが出される「兼題」で競う。メンバーは本番で発表する俳句作りを進めており、「1人100句」(松本さん)を目標に取り組んでいる。

「トマト」の題では、実際にトマトの実を手に取って詠むなど、「高校生の素直な感性」(武井さん)の表現に腐心。鉾田さんは海外での語学研修と時期が重なり、全国大会には出場できないが、「一人一人の句に個性がある。みんなの活躍を信じている」とエールを贈る。

文芸部顧問で下館一高付属中の中原壱朋教諭(40)は「感性豊かなメンバーがそろった。自分の思いをぶつけてもらい、高校生の今しか読めない俳句で戦ってほしい」と期待する。

同校は05年の全国大会で準優勝した実績がある。横塚さんは「事前の準備が結果を大きく左右する。抜かりなく準備し、本番では緊張せず戦いたい」と健闘を誓った。

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